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Romance夢紀行

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LOVER UNLEASHED あらすじ BDB#9 (後編)

第38章 車に轢かれたばかりという風情のヴェク刑事がパソコンのモニターで失踪人のデータを検索しているようです。このところ10代後半から20代前半の若者が大量に失踪しているそうです。ヴェク刑事が暴力を振るってしまったカメラマンはもともと問題のある人物だったということですが、内部調査が入ったようで、ホセも内部調査室に事情聴取をされました。ヴェク刑事は、父親が28人の連続殺人犯ということでレッテルを張られがちですが、警察学校での成績もよく、パートナーとして受け入れた時には彼自身がやっていないことで判断しないと、ホセはそのことは重視しませんでしたが、今回キレた様子をみて考えをかえざるえませんでした。内部調査室には今回は本人の行動に問題はなかったと報告し、おとがめなしということになりましたが、次のチャンスはない。キレるやつとこの仕事はできないと本人に最後通告します。

第39章 マニーはパインをグローリーを治療してもらっている動物病院へ連れてきました。パインには窓の外の景色が何もかも目新しく、窓を開けたり閉めたりして風の速度を感じたり、感激したり、貧しい地域をみると書の聖母が作った聖域の意義を再度考えたり。ラスには、外出から戻る前にマニーの記憶を消して、元の世界に返すようにと命令を受けています。守らなければならない命がたくさんある王のラスからの命令は逆らえないとパインは思いました。

車のなかにずっといてもいい、とパインがいうとマニーも同感だと言います。警備員と挨拶して、受付、何枚もの扉を通り抜け、グローリーのところへいくとパインは彼女に駆け寄ります。マニーの声に気付いてグローリーが顔を出してきます。こいつは新顔が嫌いなんだ、気をつけろ・・・とマニーは言いかけますが、グローリーはパインの手を受け入れ、首筋を喜んでかいてもらっています。彼女をグローリーにあわせたことは良かったんだろうか。グローリーはパインに会えて嬉しそうだが、彼女がいなくなったとたん、気落ちしてしまうだろう。体重が減り、あばらが出てしまっています。主治医からは、傷の治りのスピードが十分でなく、消耗しすぎてしまっているので回復が難しいと告げられていました。パインに彼女は治るんでしょう、と言われてマニーは応えられず、パインは理解します。マニーは、俺は仕事漬けで、プライベートはグローリーだけなんだ。彼女が死んでしまったら立ち直れないだろうと言います。

第40章 ジェーンはペントハウスに実体化しました。どんなものを見ることになるのか、ヴィシャスが受け入れてくれるのか緊張しています。乱れていない部屋を進んでいくと、ヴィシャスがベッドにいるのが見えます。眠っているの? 彼は飛び起きますが、目には恐怖が宿っていて、身体を丸めると、泣き始めました。こんなところを見たとわかれば彼が傷つくと思い、ジェーンが去ろうとすると、ヴィシャスが彼女に気付き、細い声で父親に傷つけられたと告白します。ずっと両親に聞きたかった。なんで子供を作ったんだ。聞いてくれたら、俺は頼まれてもあいつらを両親にしたくなかった。

俺は五体満足でいたかった。お前が子供を欲しいといえば授けてやりたかった。お前に浮気していると思われて死ぬほど傷ついた。以前は背中のシェランの名前はバカバカしいと感じていたし、時間の無駄だと思っていたが、伴侶を持つ男はみんなやっているじゃないか。お前が俺が毎晩目覚める理由だし、夜明けになると屋敷に帰りたくなる理由だ。おまえは俺にとってのすべてだよと言います。ジェーンを抱きしめ、彼女に抱きしめれられ、ヴィシャスはバラバラになっていた自分がまた一つに戻った気分でした。

ブッチとの時間を過ごしたせいか、彼の中の悪いものというのは彼自身のなかにあるので、それはブッチや誰かとの交わりで消えるものではなく、内省することで乗り越えられるという悟りがありました。父にされた虐待行為は振り返ることもほぼなかったのです。普段思い出すこともなく、ジェーンに身体の欠落部分を説明するときに口にしたくらいです。

いままではジェーンとは熱く様々に交わってきましたが、これからはゆっくりと愛し合い、彼女とすることで気持ちが満たされるだろうと思います。考えてみたら兄弟たちとは何か意見の相違があっても、時にはぶつかり合い、なんとなく関係が元通りになっています。ジェーンとも時にはぶつかり合うことがあっても、一緒に歩んでいくんだとヴィシャスは思いました。

第41章 怪我をしていないのは、ジョンとゼックス、クインだけです。ラスが休養日としたため、クインは部屋でイライラと歩き回っていました。どこかへ行こうと思っても、戦闘か、もしくは火事でも起こらなければ、ここから離れたくないという気持ちは簡単にぬぐいされないほと強いものです。ブレイは脳震盪と、お腹の傷を受け、傷のほうはジェーンが縫ってくれて、命に別状はないそうだとジョンが教えてくれました。彼の部屋のドアをノックしたくてもできなくて、バルコニーに出ます。バルコニーにはカーテンの隙間から光が漏れています。クインが忍び寄ると、隙間からライラとブレイが見えます。彼女にはクインが夕食の前に血を与えましたが、負傷者の間を廻って血を与えているようです。静かに横たわったブレイは以前よりも老成してみえ、血の通ったひとりの美しい男性でした。彼に話しかけ、怪我の具合を確認させてもらうことまで妄想しましたが、どうしても一歩がでません。そこに裸足のサクソンが部屋の中から出てきて、後ろ手にドアを閉めました。

率直に言わせてもらっていいか。俺は彼の恋人だ、彼の人生の愛ではない。とサクソンが言うものの、クインは耳を貸さず、この会話はブレイに伏せておいてくれと言われ、サクソンは部屋へ引っ込みます。

第42章 マニーはグローリーから離れがたい気持ちでした。そこに主治医がやってきます。彼はオペラ帰りでタキシード姿でしたが、家に帰る前にあなたの子の様子を少し見ていこうと思って寄ったと言います。奇跡が起こってくれたらと願っていましたが。もう少しできることがあるんではないでしょうかと言いますが、出来る限りの手は尽くしました。お気のすむまで時間をとってくださって構いませんと言って、他の仕切りにいる患畜たちの鼻を撫でながら去っていきました。別れの挨拶をしろということだな。マニーは辛い気持ちでグローリーの仕切りほうをむくと、光が漏れてきていました。何があったのかと思いかけつけると、パインがしゃがみこみ、患部が輝いています。何が起こっているのかわからないが、誰もこの瞬間を邪魔してくれるなとマニーが祈っていると、次第にグローリーの脚がしゃんとしてきて、パインは苦しそうな様子です。不慮の事故から守ろうとパインを仕切りの中から出すと、グローリーは見向きもしなかった飼い葉をムシャムシャ食べ始めました。君を連れて帰ると抱き上げ、ポルシェの運転席に乗せると、パインに血を飲ませてほしいと頼まれます。手首を差し出すと飲み始めますが、しばらくするとパインのダイアモンドの瞳が彼の首筋を見据えたかと思うと、髪に指を差し込まれ、首を固定され、首に飛びつかれます。マニーは喜んで差し出し、欲望も高まります。パインは彼に触り、欲望を発散させ、もっと落ち着けるところへ行きましょうと誘います。マニーは、それはできないと一生懸命抵抗しますが、そこに「外に出ろ」とスキーマスクをかぶった男に窓越しに銃で脅されます。パインに、俺が車の外にでたら、このボタンを押してロックするんだと教え、400ドルとクレジットカードの入った財布をもって外に出ます。頭に銃を突き付けられますが、パインが魔法のように強盗の後ろに現れ、あっという間に武装解除し、彼を吹っ飛ばします。数メートル先の花壇に落ちた彼にマニーは駆け寄り、俺は医師だ、指は何本に見える? 下半身に意識が感じられるか? 救急車を呼ぼうというと、強盗は急いで逃げていきます。残された銃を警察に届けないとといって通報したので、パインがこれ以上人間が集まるなら私は帰らなければと言います。ただ銃の習得状況を警察に説明するのにパインの記憶を消してしまうと、マニーが困ったことになります。俺の記憶を消さなかったことを報告するのか、とマニーに聞かれ、わからないと言います。パインは安全でいてね、といって消えてしまいました。

第43章 娼婦のキャンディは、500ドルでこの部屋に来ていました。連れてきた男はホットでしたが、発音も外国風でどこかこの話は奇妙です。でも隣の部屋には何かあったときにはポン引きもいるしと思ってついてきました。部屋は暗くなっていて、突然ベッドだけ明るく照らされ、新しい男が現れました。もっと巨大で、でも腰は細く、逆三角形の体つきです。光の加減で新しい男の顔はわかりません。男二人の会話はありませんでした。うつ伏せになれと命令され、二人に奉仕したあと、これ以上なら電話番号を渡して、私の方がチップをあげないとと思うくらい満足していましたが、追加の500ドル欲しくないかと言われます。彼らに傷つけられることはないと思えたので、変態チックなこと? いいわよ、というと今度は両足を開くように言われ、彼らは血を吸い始めます。すべてが終わると、彼女はこちらを向くようにと言われ、頭痛がしてきて、いままで誰と過ごしていたのか忘れています・・・

部屋を出たクスコーとスローは、地下の部屋から人間の女性の強い血の匂いを感じ取ります。スローが即座に反応し、部屋に飛び込んでいますが、そこのベッドにいたのは血まみれの瀕死の女性でした。トイレの窓から逃げ出した犯人を捕まえようと走り出そうとするスローにクスコーは手錠をかけ、これはお前の仕事じゃない!と言います。あれはお前の妹じゃないんだぞ! もみ合っていると先ほどの娼婦とポン引きが慌てて表にとめた車に飛び乗って逃げていくのが見えました。納得しないスローをみて、クスコーはトイレの割れた窓ガラスについた血を指で掬い取ると、スローに舐めさせ、犯人を自由な時間に追跡することを許す。ただし今は駄目だ。誓え。といいスローはそのことを誓います。

第44章 現場に駆け付けた警察の事情聴取をうけて帰宅したマニーは、家じゅうの酒を飲み尽くし、千鳥足で部屋を通って、シャワーを浴び、身体もふかず、ベッドに倒れ込みます。パインは自分の周りにミスをはり、ベランダからマニーのことを見つめていました。彼が少しだけとった彼女の血が追跡を可能にしていて、別れてからもずっと追いかけてきていました。

パイン、と声をかけられビックリするとヴィシャスがいました。俺はこの建物に部屋を持っていて、帰ろうと思ったらお前のミスの気配がしたから様子を見に来たと言います。パインは、両耳を手でふさぎ、何も言わないでと言って、あなたが私にどうさせたいのか、王の命令も理解しているけれど、この場を去らなければならないから去るのではなく、私と関りを持っていれば、マニーは兄弟団やあなたとの関りが出来てしまい、消さなければならない記憶が増えたら彼は壊れてしまう。そんなことは彼にできない。彼を守るために、日の出前に帰るわと言います。

一つだけ答えてほしい。お前はク・・・マニーを愛しているのか?と聞かれます。愛しているわとパインが言うと、オレがラスに話してやってもいいと言います。ラスが恋に落ちたのは人間だし、別れろとだれかが提案しただけでもあの時は半殺しだったろうな。ダリウスは人間との間に子供をもうけているし、実際今までにもあったことだ。俺もジェーンに会ったとたんに恋に落ちた。俺がジェーンに感じている気持ちの半分でも感じているなら、彼なしでは生きていけないはずだ。俺はこちらの世界ではお前の責任者ということになるだろうから、俺が二人の関係を認めると話せば、ラスも受け入れるかもしれないと言います。ただし確定するまでは館に戻るんだといって帰っていきます。ありがとう、お兄様と喜んで、夜明け前には帰るからと言い、マニーの部屋に入り、眠る彼に付き添います。

第45章 帰宅したヴィシャスは、ラスのところへ向かいます。ヴィシャスはパインがマニーと一緒にいたいと言っている、彼は優秀だし、外科医がジェーン一人というより、心強いんじゃないかとラスに言います。ラスは兄弟団の治療のために屋敷にいることをあいつは了承するだろうか。それに、いまは以前とは違う。レスニング・ソサエティが勢力を増してきていて、安全ではないし、この手紙を見ろ。レスコーがこちらに帰還したいと言って来たぞ。おそらく2日後にはグライメラが開催され、悩ませてくれることになるだろう。ラスは自分の王座が安泰とは感じていないようでした。ただパインが屋敷の外で誰に会うかどうかは追及しないといってくれました。あと、おまえパインは戦闘に出たがるぞ、気持ちの準備をしておけというと、ヴィシャスがまさかと言います。お前、この先600年パインが屋敷のなかでブラブラしていると思うか。俺があちらで手合わせしていたのはパインだ。間違えなく俺やお前と同じくらいの腕前だぞ。ゼックスだって戦ってる。このご時世、一人でも戦力は貴重だ。

ヴィシャスは次にピットに向かい、ブッチに会いに行きます。ブッチは部屋の隅のドアにうつむいてもたれかかり座っていました。お前とジェーンは大丈夫か、と聞かれ、大丈夫だと伝えます。悪かった、本当に悪かったよ、といってブッチがすすり泣きます。ヴィシャスはブッチを抱きしめると、いいんだ、お前は正しいことをしてくれたんだと言い、二人は自然とお互いに腕をまわしあって床に伸びました。自然に初めて会ったときのことを思い出します。1万年以上前のことのように思えますが、入れ墨の事情を聞かれてお前には関係ねぇと言い返したっけ。レッドソックス愛で結びついた二人にはあれからあまりにも沢山のことがありました。またすぐに同じことをやってくれって頼んでくれるなよとブッチに言われてわかったとヴィシャスがいいます。でも本当に必要なら遠慮すんなとブッチが言うと、ヴィシャスは二度と頼まない・・・と言いかけますが、これからどうなっていくのかはわかりません。悪いものは口に出して吐き出すとジェーンに誓ったことを思い出します。そうならないように願うよ、ありがとうな、とだけ言います。二人で笑い合い、目を閉じると、ジェーンとの関係が元に戻り、彼の世界は完璧になったように思えます。あとは妹を外の世界から連れ戻せればもっと完璧だ・・・。

第46章 ホセはヴェク刑事と新しい殺人現場のモーテルに来ていました。黄色いテープが張られた現場に入っていくと、被害者のそばには切り取られた入れ墨とそれを保存する瓶が置かれていて、被害者の者と思われるアクセサリなどもそのまま残されていました。犯人は強い理由がなければ、途中でやめたりしません。明らかに、誰かが作業の途中でドアから押し入り、犯人は逃げ出したのだと思われます。今回の通報は男性で、遺体の正確な場所を報告すると切れてしまったようです。検視官は、遺体はまだ温かかったので、それほど時間が経っていないのではというのがざっくりした見立てです。

ふたりは事務所横に放置されたトラックを見に行きます。イリノイ州、持ち主はデイヴィット・クローナー、車の盗難届は出ておらず、持ち主は独身で、特段失踪届なども出ていません。ヴェクは、正確には遺体発見現場ではありませんからと言って、さっさと車の鍵を開けてしまい、中を確認します。後ろには南京錠のかかったラックがあり、ヴェクは車のトランクから電動カッターを持ってきて、南京錠をカットしてしまい、開けて「なんだこりゃ!」と毒づきます。ホセもみにいくと、ホルマリン漬けになった遺体のコレクションと、道具の数々でした。厳重に保管された様子からして荷物が載せ替えられた他人の車とは思えず、手掛かりをつかんだと感じます。殺人のペースも上がってきていて、放っておけば、また誰かが被害者になるだろう。捕まえなければ。

第47章 「大変!太陽が」というパインの声がしたような気がして、マニーは飛び起きます。彼女の姿を探しますが、ガラス越しに太陽がさんさんと降り注ぐ部屋にも、化粧室にも見当たらず気のせいだったのかと思いますが、自分の記憶が消えていないことは認識しています。枕の匂いを嗅ぐと彼女の匂いがして、彼女が来ていたことがわかりますが、なぜ彼女は記憶を消さなかったんだ? ゴールドバーグからスターバックスで会おうと誘われていたことを思い出し、ジムで5キロ走った後、カフェに向かいます。ジムでは彼が出ていくとき周りから奇妙な目で見られていることに気付き、思わず裸でいるのか見下ろしますが、変ではありません。ゴールドバーグは、病院側からマニーの不調を受けて彼が外科部長に指名されることになったと言いにくそうに切り出されます。彼はまるで遠い世界の出来事のように、今回のニュースを受け止めています。君はいい仕事をすると思うと言っていると、動物病院の担当医から電話があり、グローリーが奇跡的に回復したと興奮した様子です。怪我も何もかもなかったようになっているというのです。よい知らせに喜び、帰ろうとして窓ガラスに映った自分を見ると、マニーは驚きます。トイレにいって鏡をまじまじとみると、若返っています。そして普段なら運動したあと感じる疲労感や関節の痛みがありません。ひょっとしてパインは知らないうちに俺のことも癒していたのか? 席に戻ると、ゴールドバーグに悪いがスキャンを取ってもらえないかと頼みます。

第48章 クインは身内によって半殺しの目にあった時のことを夢に見ます。ライラのノックで目が覚め、血を頂けますかという遠慮がちな申し出に、手首を差し出しますが、なぜか彼女の緑色の瞳から目が離せません。夢の中で、薄い緑色の瞳の可愛らしい少女を見ました。彼女は彼と同じ、緑と青の瞳の持ち主でした。その少女の顔はライラに似てきて・・・。気が付くと、傷を閉じさせてください、とライラが言っていますが、彼は自分で傷を閉じ、予知夢を見たと言います。良い内容ではなかったのでしょうか、ライラは私は失礼したほうがよさそうですね、といっていなくなります。俺は予知夢を見るタイプじゃないはずだ。両親も彼を一族から除名したし、ガチャ目をもった少女をこの世に送り出すなんてできない。実現しないよう、ライラと子供を持つようなことをしなければいい。

第49章 マニーは病院を辞め、帰宅しました。数少ない荷物をスポーツバッグに詰め始めます。この街をでて、ここではないどこかへ行きたい。パインが彼の記憶を消しに日没後には戻ってくるだろうと予想していると、パインが嬉しそうな様子でベランダをノックしてきます。マニーが病院を辞め、検査を受けたというとパインは心配しますが、なぜか俺は若返っていて、スポーツのやりすぎで人工関節と置換しなければならない箇所が治っていて、そばかすは消えていた。君だろう? パインは自分のパワーが影響してしまったことは否定できません。みんなが夢見ることなのに、なぜいけないの?というと、マニーは俺には母親がいる。今度会う時は整形手術をしたと思うかもしれないが、10年後、20年後に俺が変わらないでいたらどうだろう? 

一つだけ頼みがある。母親に誓って君のことは誰にも話さない。俺の記憶を消さないでくれ。君と会えず、君の記憶を失ってしまった1週間は、俺の生活や頭の中はめちゃくちゃになってしまった。

パインは涙を流し、わかったと伝えます。マニーも涙を流しながら、ドアまで送ろうかというと、パインは姿を消します。

第50章 屋敷に戻る気持ちになれず、海辺に足をむけたパイン。聖域ではあんなに憧れた外の世界だったのにと思いながら景色を眺めていると、独特の香りが漂ってきました。レッサーだわ。鬱憤をぶつけるのにちょうどよいと思い、二人のレッサーに立ち向かっていきます。

戦闘の気配をたどって、クスコーたちが引き寄せられてきました。鮮やかにレッサーを扱っている白いローブの女性は・・・こんなところで、このタイミングで父の敵に出会うとは。運命だ。クスコーの後ろからゼファーが、この長い年月、復讐にかけてきたのだから、あっさり片づけるのは勿体ない。お前たちは一昨日養ったかもしれないが俺たちは違う。俺たちで楽しんでから、お前が手を下したら、より満足できるんじゃないかと提案し、クスコーも了承します。

パインは「誰なの?」と聞いてきますが、クスコーは一瞬で手首に手錠をはめ、さらにもう片方の手にもはめ、それだけなら父親と同じく灰にされたかもしれませんでしたが、レッサーの銃弾が彼女の身体のどこかに当たり、身体から力が抜けた一瞬のすきをついてレスコーは彼女の三つ編みを首に巻き付けると、徹底的に締め上げました。パインは「なぜ・・・」といって気絶しました。

第51章 ヴィシャスはブッチとビリヤードを楽しんでいました。レイジとメアリー、ザディストとベラとナーラ、そしてリヴェンジとエレーナ、ジョンとゼックス、ブレイとサクソンたちが正餐のために集まってきます。ヴィシャスとジェーンは他のメンバーのいるところでは控えめに愛情を表現するのが普通でした。ジェーンが部屋に入ってきて少し微笑むと、メアリーのところに行きましたが、彼は彼女のところへむかうと気持ちのままに抱きしめ、壁に押し付け、キスをします。誰に見られていても構わない気分で、まわりは唖然としてシーンと静まりかえっていました。ラスとベス、ジョージが下りてくると、ヴィシャスは聞いて欲しいことがある。俺たちは正式に伴侶になる。「潮時だ」ラスがゆっくりと拍手をはじめると、みんなもそれに続き、お祝いの声や冷やかしの口笛、ポップコーンが飛び交い、フリッツはシャンペンを振る舞い、盛大に盛り上がります。ジェーンと盛り上がったヴィシャスは45分も化粧室に抜け出していましたが、戻ってきてもまだパインが帰っていないことに気付きます。

最初はマニーと一緒にいると考えてたのでおかしいと思いませんでしたが、夜明け前直前になっても戻らないのに気づき、電話を何度もかけますが、かからず、困り果てマニーの携帯にかけます。パインは?と聞くと数時間前に帰ったとマニーに言われ、なんで一緒にいないんだ、パインはお前を愛しているんだぞ、とヴィシャスが怒ると、俺たちが別れたと聞いたら喜ぶと思ったがとマニーが言います。ヴィシャスはパインが帰ってこない、といって電話を切ります。

マニーは部屋をぐるぐる歩き回り、最後の電話に何度かかけますが、かかりません。再度非通知から連絡があり、ヴィシャスがまだ見つからないと言ってきます。俺たちは愛し合っている。できることは何でもする、敵はどこにいるんだと聞きます。武器を持っていけ。レッサーたちは小規模のグループで町に潜伏していて見つけるのは難しい。まずは街の小道でレッサーの死体の痕跡を探せ。道路に黒いガソリンのような血がまき散らされていて、甘い特別な匂いがするのが手掛かりだ。

彼女はバージンなんだ、とマニーが言うと、ヴィシャスはレッサー達は不能だと教えます。だが・・・。二人の頭には最悪のケースが浮かんでいました。

第52章 パインは意識が戻った時、両腕が鎖に繋がれ、両足も開いて繋がれていました。目が覚めたことを気付かせないよう身動きしませんでしたが、そばからお前の息遣いが変わったぞ、気が付いたなと声がかかります。男たちの声がピタッと止まり、彼女に注意が向くのがわかります。

これから凌辱されるのかと思い、マニーとの思い出は心の奥底に沈めようと考えます。脆さをみせたら強さにヒビが入ってしまう。なぜ私は囚われたのだろう。

「思い出せ!」と唇の裂けた男に何度も言われ、簡単には忘れられない顔だと思いますが、ようやくブラッドレターを殺したときにそばにいた部下の男だったと思い至ります。ブラッドレターの部下ね?というと、ブラッドレターは父だ、と相手に言われてそれはありえない、あいつは嘘つきよというと平手で思い切り殴られます。なぜ殺したんだと聞かれ、兄を拷問したからと答えます。庶子の娘はたくさんいたけれど、ブラッドレターの息子はただ一人、私の双子の兄だけと相手の目をみつめて言います。

その場に光が満ち、手首の手錠は灰になって消え去ります。私は書の聖母とブラッドレターの子。聖域の巫女。私自身がそのことを証明していると告げ、クスコーは彼女の光と、彼女の中からのぞく鋼の意思が外見よりも強くブラッドレターを想起させると思いました。クスコーは二人きりにしてくれと部下を追い払います。

母親に醜いという理由で捨てられたとブラッドレターに聞かされ、父との繋がりと、父が欲してくれたということを心のよりどころにしていたのに、足元が崩れた気分です。そしてブラッドレターの息子として彼の地位を引きついだのに、今後部下はリーダーとして自分に従ってくれるだろうか。

クスコーは、密かに囁かれる噂のなかに、ブラッドレターは実の息子を地面に押さえつけ入れ墨を入れさせ、さらに性器の一部を切り取らせて不妊にしたというものがあったことを思い出し、真実を伝えていたのかもしれないと思います。そして兄の復讐を果たしたということであれば、パインの気持ちをクスコーはよく理解でき、またブラッドレターの自業自得と感じます。

パインが帰らせてもらっていいかしらと言うと、いまは昼間だ。目隠しはさせてもらうが、君が来たままの状態で返すと約束する。普段ここで俺は休んでいるといって寝床用に古い毛布をたたみ、枕代わりに洗濯済の洋服をたたんで置きます。階段を登っていく彼に、あなたの名前は?と聞くと、君は全て知っているわけではないのかと言い、俺は君の名前を知らない、じゃあなといって行ってしまいます。

彼は臆病者ではありませんでした。部下たちの前に行くと、これからも俺に従ってくれるか。今夜去ってもかまわない。ただし明日以降去る場合のペナルティは死のみ。俺の目的は王だ、というと部下たちはナイフを抜き、彼の前に突き立て、ひざまずきます。俺たちはお前がブラッドレターの息子だから従っていたわけじゃない。

パインに手出しをしないようにと部下に指示すると、ゼファーが不満を漏らしますが、彼女は罰せられる理由が何もないと言って、通路に立ちふさがります。

第53章 マニーは不安ではちきれそうな気分で町中の道をポルシェで走り回ります。2時間ほどたって、ようやくある道で言われたようなオイルを巻いたような地面、甘く強い匂いの場所を見つけ、すぐヴィシャスにメールします。ジェーンが手伝いに現れてくれ、二人でそのあたり一帯を細かく見ていきますが、手掛かりは見当たりません。くぐもった音がしてきて、注意を惹かれると、ゴミ箱の中から黒い油のようなものにまみれた携帯が見つかりました。ヴォイスメールに切り替わってしまったあとは中身にアクセスできなくなってしまいましたが、ジェーンがVならどんなガードでも外して中身を確認できるといい持ち帰ることにします。

ジェーンは私が誰かが文句をいったら責任を取るから、あなたは屋敷でパインの帰りを待たなくちゃ。仕事も辞めたんでしょと言ってくれ、マニーはコンドミニアムに一度戻ると、今度のことがどう進むかにかかわらず二度と戻らないつもりで、現金やパスポート、パソコン、写真立てなど大事なものをいくつかのバックに放り込みます。

屋敷のなかに入っていくと、玄関ホール横のビリヤードルームに見える部屋からパインの兄と、レッドソックスの野球帽の男が出てきました。兄に手を差し出され、携帯電話を差し出しますが、それには目をくれず、相手はマニーの手を握ってきたため、頷きあい、お互い敬意を持って対応するということを了解しあいます。そしてそれに驚いた様子の隣の男が帽子のふちを上げ、彼の顔を初めてはっきりみたマニーがあっと驚き、まじまじと見つめます。何か言うよりも早いと思い、マニーは持ってきた荷物をごそごそして、自分の父親の写真をとり出し、3人に見てもらいます。

第54章 ブッチは戻るべき家と、よき伴侶を得て、心の平安を得ていました。アルツハイマーの母親にこの写真をみせ、詳細を聞きたいと思いましたが、何もわからないでしょう、だからこそ彼も彼女のことをたまに訪れることができるのですが。以前の家族や父親のことはなかったことになっていましたが、彼にそっくりの写真をみると、心が乱れます。

マニーは父はロバート・ブラフといい、NYのコロンビア病院で外科医として働いていた。母はその病院の看護婦だった。俺の母親も看護婦だったが違う病院だ、とブッチが言います。彼はボストン以外のいろいろな病院にも勤務していたらしい。ヴィシャスが何か飲まないか、と言ってくれ、二人ともがラガーリン、と言いヴィシャスは首を振りながら用意してくれます。彼はまだ生きているんだろうか?とブッチが聞くと、マニーはわからない。墓地で眠っているとばかり思っていたが、今となっては。ヴィシャスが俺が見つけてやる、と割って入ります。日中も働いていたということは、おそらく彼は混血だろう。彼はヴァンパイアの血が混ざっていることを知っているのだろうか。

「誰を見つけるんだ?」と言って、ラスが階段から降りてきます。ヴィシャスはどうやら新しい親戚が見つかったようだぞ、閣下と言い、二人を正式に引き合わせます。

マニーの父親とブッチはそっくりだが、血液遡行をすれば、確かなことがわかるとヴィシャスが興奮して言い出しますが、マニーは俺自身は父親が彼だということははっきりしていて満足しているので、パインが戻ってきて、彼女がしてほしいといえばしたいと言い、ラスも了承します。

こうしている間もパインがどんな目にあっているかと心配でならず、手持無沙汰のマニーはビリヤードをやらないかと言い出し、ヴィシャスやブッチ、ジェーンもいいねといって付き合ってくれることになります。

第55章 夜になると、パインは目隠しをされ、おそらく車に乗せられて20分か30分くらいたって、停まった場所に降ろされます。車はすぐに走り去ってしまいますが、リーダーはそばにいるのを感じ取っていました。最初に目に入る景色が美しいものであって欲しかった、といって目隠しを外されると、目の前にはコードウェルの夜景が広がっていました。美しいわと暗がりにいる戦士に囁きます。山の上にいるようです。あなたの名前は? とリーダーに聞きますが答えず、挨拶をして去っていきます。

マニーはいまどこにいるのだろう。パインは兄に無事でいることを知らせなければと思い、屋敷に戻ります。玄関の呼び出しベルを鳴らし入っていくと、二つ目のドアを開けた瞬間に執事が「お嬢様!」と叫んで駆け寄ってきます。その声を聞きつけ、ビリヤードルームからヴィシャスが飛び出してきますが、その後ろから大きな力がヴィシャスを突き飛ばし、ヴィシャスの手に持っていた飲み物はあたり一面に飛び散りますが、マニーは一直線にパインに向かいます。

彼はどうしてここにいるの?と思った瞬間に、マニーに抱きしめられていました。彼からは昏いスパイスの香りがしました。大丈夫か、何かできることはあるか、医者はいるか、何があったんだ、どこへ行っていたんだ、質問が止まりません。パインが彼の頬を包み、一体なぜここにいるのと聞くと、君を愛しているからだと言います。でも私の力があなたを若返らせてしまうことは・・・とパインがいうと、気にしないことにした。俺は間違っていたよ、臆病者だった。ごめんな。パインは私も愛しているわと伝えます。私は大丈夫。固く抱きしめられマニーの肩越しにヴィシャスを見ると、伴侶の腰を抱いて彼らを見つめていました。館の住民たちもホールに集まってきます。

パインは、館を出て川沿いを進んでいるとレッサーの匂いがして、奴らを倒したんだけど、気分がすっきりしたわ。ラスと短髪の女性の戦士が彼女の言葉にうなづいてくれますが、戦士たちはそのコメントに居心地が悪そうです。そこに上唇に裂け目のある戦士の率いる一団がやってきて、誘拐されてしまったの。戦士たちの何人かからうなり声が漏れ、どうやら彼らはリーダーのことを知っているようです。リーダーは自分をブラッドレターの息子だと思っていて、私がブラッドレターを殺した場に居合わせて、それからずっと私を父の仇として付け狙っていたみたい。彼の父がブラッドレターなのはありえない誤解だと説明すると、納得してくれて、彼の部下を違う部屋に集めて彼らから守ってくれた。彼らは古国のやりかたで暮らしているようで、蝋燭を使っていたわ。電話は見当たらなかった。運ばれた時はレッサーに撃たれて意識がなかったから、ねぐらがどこにあったかわからない。

その傷をすぐにみせてくれ。手術しなくては。パインを抱き上げると、ヴィシャスが階段を上がって右に3つ目の部屋が客用寝室だ。治療に必要な医療器具があれば言ってくれ。すぐに食べ物は持っていかせるといい、マニーは階段を上がっていきます。

二人きりになり、マニーは目を一瞬固く閉じると、彼らに傷つけられたのか、と聞きますが、パインは彼らは誰も私に触れなかったわ、というと彼の身体に震えが走ります。

ヴィシャスは階段を見上げ、マニーと初めて会ったときに、頭の中に「兄弟」という言葉が浮かんだことを思い出します。そうか、義理の兄弟として永遠に付き合っていくのか。兄弟にするには悪くないやつだろうと思います。ラスが、外科医は我が親族である。これからこの家は彼の家、彼は自由に出入りでき、彼は人間の親族に会うことができるとみんなの前で宣言します。

正餐の場は賑やかでした。ヴィシャスの隣ではジェーンがレイジが言ったことに笑っていて、向かいにはブッチとマリッサが微笑みあい、手を握り合っています。俺の人生はこの瞬間、最高だ。

第56章 マニーはドアを蹴ってしめると、パインをベッドに運びます。怪我をしたのか、と聞くとパインは服をはだけ、もう治っているけれどと見せてくれます。彼は強く唾をのみ込みます。もっと近くで診てちょうだい、と誘われますが、大丈夫なのかとマニーは躊躇します。パインは座りなおすと、どうしていつもためらうの、とまっすぐ目をみて聞いてきます。俺はただ・・・君を傷つけると思うと耐えられないだけなんだ。話さないとならないことがあるとマニーが言いかけると、まずは一つになりましょう、話はそれからとパインがいい、キスをします。気持ちは変わらないかとマニーが言いかけますが、パインがキスで封じます。マニーはここでキスをしたらもう後戻りはできないと言い、何か本能的な部分が、彼女の処女性を奪うことで彼女に彼のものだという印をつけることになるとわかっていました。私は数百年間、あなただけを待ち続けていたのよとパインが言います。俺のものだ。再度身体を重ねるまえに彼女の三つ編みをほどいて広げ、指を通します。彼は身体の中心を彼女の核にあて、押して、引いて・・・裸になりたいとパインがいって、マニーははぎ取ります。彼女がうめいて胸を突き出すと、彼は口で彼女の胸をとらえ、ぴったりと身体を重ねます。彼女の叫びはキスで飲み込みます。彼はズボンのベルトをちぎるように外すと、ゆっくりするからと声をかけますが、あなたとするなら、痛みなんて怖くないわ、心配しないでと言われます。彼がゆっくり身体を近づけると、パインは素早く動き、彼の腰を掴み下ろすと同時に彼女の腰をつきあげ、完全に結合します。飲んでくれ、とマニーは彼女に首を差し出し、彼女が飲む音で、彼は絶頂に達しました。そこからのセックスは血の摂取と乱れたリズムが入り混じり、ワイルドそのもの。彼の人生最高の経験でした。

第57章 ヴェク刑事はモーテルの殺人現場に戻ってきていました。犯人は警察が捜査してすべて物証は持ち去っていることはわかっているはずですが、自分の大切なコレクションの一部なりとも現場に残っていないかと一縷の希望を抱いて犯人が戻ってくると刑事は確信して、静かに張り込みを続けていました。ホセ刑事に連絡すべきと思いながら、彼は携帯を持っていませんでした。犯人が近くに現れました! そこにどこからともなく黒い革を着た別の山のような大男が現れ、刀ではなく牙を使って犯人の首に噛みつき、血祭りにし、身体を地面に落とすと、彼のところに来ます。彼は人間っぽい顔をしていましたが、牙が口から突き出ていました。俺の目を見るんだ。ヴェク刑事の頭が痛みだし、瞬きすると、俺は何でここにいるんだろう。鼻先には血まみれの死体があります。心の衝動に負けて俺がやってしまったのか? 慌てて自分の腰の刀を抜いてみますが、血の跡はありません。確認すると息があるようなので、急いで救急車を呼びます。俺はお前を殺していないだろ? 一体ここで何があったんだ?

第58章 クインが君を心配して、ベランダに来ていたぞとサクソンがブレイに教えます。本当に? ブレイは先日の夜、クインから誰か別の男性の匂いがして死にそうな気分でした。そしてライラがクインの部屋を出入りしている様子から二人が伴侶になるという知らせがあるのではないかと思っています。何を話したか気にならないか、と言われても答えず、サクソン、ベッドで気持ちよかった? とブレイは聞きます。何で何回も聞くんだ、よかったよと言われ、安心します。サクソンは、俺が二人の間に割り込んだことはわかっている。クインは君への気持ちを把握できていないと言いますが、彼のことは話したくないというブレイに、なんでだ。彼がいようと、いまいと、彼はいつも俺たちのなかにいる。でもいいんだ。俺は自分の立ち位置を理解して、欲しいものを得ている。彼らは愛の話をしたことは一度もなく、サクソンはブレイがクインのことを愛していることをよくわかっていました。可能な限り、君といたいだけさ。

マニーが用事があると出かけて行き、パインは手持無沙汰でした。血液遡行は必要を感じないのでリスクを負わないことにして、マニーは医師として兄弟団を助けることになり、彼女自身は戦闘に出られることになり、パインは幸せいっぱいです。彼が帰ってきた気配がして屋敷から飛び出すと、彼のポルシェの後ろに貨物トラックが停められ、運転席からフリッツが下りてきます。マニーが、トラックからすっかり元気になったグローリーの手綱を引いて彼女のまえに連れてきます。人間は愛情の証としてダイアモンドを贈る風習があるが、君には大切なグローリーをもらって欲しいと言います。パインは涙を浮かべ大喜びし、彼女に飛び乗り、駆けだし、自由と愛をかんじて喜びにひたります。これが生きるってことなのね。

完璧に乗りこなすパインを見て幸せをかみしめていたマニーの後ろからヴィシャスが近づいてきて、俺はこの景色を見た、その時は予知だと思っていなかったがと言います。マニーは彼女を愛しているよ、俺の心そのものだとヴィシャスに告げ、二人の間には強力な絆が生まれました。マニーにはいろんな意味でここが彼の家になったと実感されます。彼とパインはブッチやヴィシャスに立ち会ってもらい真夜中に教会へ行き式をあげました。おさまるところにおさまったというかんじです。みんな、なんて運に恵まれたんだろう。(終)

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